あがつま語★辞書 【あ〜お】

【あ】
あいさ[多]=間さ=隙間 ・間(あいだ)とは言わず、親しみを込めて「あいさっこ」と使う。
あええ[変]=青(あお)い
あおたん=青たん=打撲した時できる皮膚の青あざ
あおっじれえ[変]=青白(あおじろ)い
あからっさま[変]=あからさま=露骨に ・「そんなに あからっさまに やな顔するない」
あがりっぱな[変]=上がり端(あがりはな)=土間から座敷へ上がる所
あかる[多]=開かる=閉まっていたドアが開く
あがる[多]=上がる=学校に入る ・「下の子が 小学校へ あがる歳になった」
あきねえ[変]=商(あきな)い
あくたれ[多]=悪たれ=悪口や悪さ ・「あくたれ こくな」
あくと[多]=踵=かかと
あくるひ[多]=明くる日=明日 ・「あくるあさ」は明日の朝。
あぐろ[変]=胡座(あぐら)=両足を組んで座ること ・「おつくべしなくってもいいと あぐろをかきない」
あけえ[変]=赤(あか)い
あこぎ[多]=阿漕=徹底してむさぼる悪いこと ・「あこぎな まね するんじゃあねえ」
あさしがた[変]=朝方(あさがた)=朝のうち ・「あさしがた 泥棒に入られた」
あさげ[変]=朝明(あさけ) ・「あさげの地震は びっくらした」
あさっぱら[多]=朝腹(あさはら)=朝早い時刻、早朝
あさめしめえ[変]=朝飯前(あさめしまえ)=簡単な仕事や用事
あしたなさ[変]=明日の朝 ・「あしたなさ の様子で病院へ連れてぐべえ」
あすこ[多]=彼処=あそこ
あすぶ[変]=遊(あそ)ぶ ・「勉強ばっかで あすぶ時間がねえ」
あせっかき[多]=汗掻
あそびあるった[変]=遊び歩いた=遊び呆けた=遊びに夢中になった ・年長者が若い頃を振り返って言うと格好いい「わけえこらあ(若い頃は)さんざ あそびあるったり してみたんさ」
あたい[多]=わたし=自分のこと ・わたし→あたし→あたい
あたまいくる[変]=頭にくる=頭に血が上る、かっとなる
あたまっくだし[強]=頭くだし=頭ごなし、一方的に押さえつけるように ・「あたまっくだしに 怒らいた」
あたり[多]=辺り ・この辺(へん)とは言わず「ここらあたり」と言う。
あっちい[強+変]=暑い、熱い ・あつい→あっつい→あっちい、と変化。
あっちゃこちゃ[変]=彼方此方(あちらこちら)
あてずっぽう[多]=当ずっぽう=いい加減な推測 ・「あてずっぽうで言ったら 当たっちゃたい」
あてっこすり[強]=当擦(あてこすり)=皮肉 ・「そんなに あてっこすり言うもんじゃねえ」
あてんなんねえ[変]=当てにならない=頼りにならない ・「ヤツは あてんならねえ」
あととり[多]=跡取=後継者、長男 ・「おめんとこの あととりは しっかりもんだ」
あなんご[変]=穴(あな)
あにい[多]=兄=あに、あにき、若者
あねえ[多]=姉=あね、あねき、あねさん
あば[略]=あばよ=さようなら
あばける=軽率にふるまう、ふざける ・「おおか あばけた事 言っちゃあなんねえ」
あぶく[多]=泡 ・「あんぶく」とも言う。・「この石鹸は あぶくが良くでる」
あまっちょれえ[変]=甘(あま)っちょろい=考えが甘い、考えが安易
あまっつぁらし[変]=雨曝(あまざらし)=雨にさらされること
あまらす[変]=余(あま)す=残す ・標準語だと思って使っている吾妻人が多い。「えっぺえすぎて 材料 あまらしちゃったい」
あめえ[変]=甘(あま)い ・「あめえもんが喰いてえ」
あめっぷり[強]=雨降(あめふ)り=雨天
あらかた[多]=粗方=ほとんど、大体 ・「この仕事は あらかた仕上がった」
ありご[変]=蟻(あり) ・「ありんご」とも言う。
ありもしねえのに[変]=ありもしないのに=無いくせに ・「見たことも聞いたことも ありもしねえのに・・・」
あるったけ[変]=有丈(ありたけ)=ある限り ・「あるったけの金 持って来い」
あるってく[変]=歩いていく ・「すぐそこだから あるってくべえ」
〜あるめえ[変]=〜あるまい=〜ないでしょう ・「そんなこと あるめえ」
あわてけえる[変]=慌て返る(あわてかえる)=慌てふためく ・「火事だっつうんで あわてけえって 家へけえった(帰った)」
あわてんない[変]=慌(あわ)てるな ・「落ち着いてやれやあ あんまし あわてんない」
あんじゃあねえ[略+変]=案ずることではない=大丈夫だ ・「あんじることじゃあねえ」の略。「あんじゃあねえやい 俺がなんとかすらい」
あんびん=大福もち
あんべえ[変]=按配(あんばい)=具合、様子 ・「あんべえが いい」
〜あんめえ=「〜あるめえ」と同じ ・「もう大人だ 心配あんめえ」

【い】
[多]=強調する言葉 ・「他(ほか)い 行ってみらあ」「外(そと)い 出ちゃあなんねえ」「山い 出かけた」「川い 落っこった」
〜い=〜んです ・語尾につける「言ったい、行ったい、来たい」
いいあんべえ[変]=いい按配(あんばい)=いい具合だ ・慣用語として挨拶に使う場合は、物事全て(天候も景気も健康も何もかも)が良い状態ですね、の意味を込めて「いいあんべえだむし」となる。
いいきみだ[多]=好い気味だ=人の失敗を意地悪く喜ぶ
いいっくら[略+強]=言い競(いいくらべ)=議論や口げんか ・「飲みっくら」や「跳びっくら」も同様に「くらべ」の省略形。
いいなずけ[多]=許嫁=幼少の頃に両家の親同士で結婚を決めた男女
いがねえ[変]=行かない ・ガ行活用の代表例。 ・「今日は学校 いがねんかい」
いがっといい[変]=行かなくとも良い ・「嫁になんか いがっといい」
いかっらぺえ[変]=いい加減(かげん) ・「ええからかん」と同じ。
いがらっぺえ[変]=刳辛(えがら)っぽい=のどが刺激的
いきあった[多]=行き会った(ゆきあった)=でくわした、たまたまめぐりあった ・「まちで ○○さんに いきあった」
いぎたけりゃあ・いがあいい[変]=行きたければ行けばいい ・「そんなに いぎたけりゃあ いがあいいや」
いぎてえ[変]=行きたい ・ガ行活用の代表例。
いきなし[変]=行成(いきなり)=予期するまもなく突然に ・「いきなし 好きだって言われた」
いぐ[変]=行く ・ガ行活用の代表例。・「いぐ?」語尾を上げれば呼びかけになるのは共通語と同じ。
いぐこたあねえ[変]=行くことはない=行かなくても良い ・「無理して いぐこたあねえ」
いくじ[多]=幾時=何時? ・共通語では「いくら?」「いくつ?」は使うのに「いくじ?」は使わない。時間をたずねるときは吾妻では必ず「いくじ?」 
いくじがねえ[変]=意気地(いくじ)がない=根性なし
いくたり[多]=幾人=何人 ・「仲間は いくたり居るんだい」
いくら[多]=幾ら ・「いくらも食ってねえ」と言われ「マグロは食ったんかい」と聞いた若者がいたが「いくらも」は「それほど」の意。
いげ[変]=行け ・「早く いげ」ガ行活用の代表例。 「食っていけ」は「食ってげ」と「げ」だけの短縮形となる。
いけしゃあしゃあ[多]=いけ洒洒=図々しいほど平気な様子
いげねえ[変]=行けない
いける[多]=埋ける=土の中に埋める ・「裏の畑へ いけとけ」
いごう[変]=行こう ・ガ行活用の代表例。・「いごうともったんだけど いげなくなっちゃたい」
いごく[変]=動(うご)く ・「危ねえから ここを いごくな」「いごかねえ」
いじきたねえ[変]=意地汚(いじきたな)い
いしっころ[多]=石っ塊=小石
いじる[多]=弄る=物事を手先で扱う ・「日曜は庭いじり してたい」
いたっぺら[変]=板片=薄い木の板
いちげえに[変]=一概に ・「そんなこと いちげえに言うもんじゃねえ」
いっかる=乗る、乗せられる、置く、置ける ・「余裕があるから まだ上に いっかる」
いっからい=乗せることができる、置ける ・「あと一つぐれえ いっからい」
いっくら[変]=「いくら」と同じ
いっけえ[変]=一系(いっけい)=血筋のつながった親族
いっける=乗っける=乗せる ・「まんま(飯)に魚いっけて食う」
いっちょらい[変]=一挺蝋(いっちょうら)=持っている服の中で最上級の一着 ・「今日は子供の入学式なんで いっちょうらいを着る」
いっちょめえ[変]=一丁前(いっちょうまえ)=いちにんまえ ・「いっちょめえな 口きくな」
いっとう[多]=一等=一番、第一人者 ・「喧嘩が いっとう強いのは太郎だ」
いっとうさいしょ[多]=一等最初=いの一番
いっぱし[多]=一端=えらそうに、人並みに ・「いっぱしな口きくんは 10年早い」
いっぺえ[変]=「えっぺい」と同じ
いっぺえくう[変]=一杯食(いっぱいく)う=うまくだまされる ・「うちの孫には 大人も いっぺえくわされる」
いどころね[多]=居所寝=布団に入らないで横になって眠ること
いなよう[多]=異な様=変なふうに、妙な格好で ・「よくわかんねえから いなようにやってみた」
いび[多]=指
いびつ[多]=歪=形がゆがんでいること
いびっさん[変]=恵比寿(えびす)さん=七福神のえびす神
いびる[変]=弄(いじ)る
いまじぶん[多]=今時分=今頃 ・「旅行に行った弟は いまじぶんは 夕飯食ってる頃だ」
いまっと[変]=いま(少し)まっと ・「飯を いまっと よそってくれ」
いりやき=煎焼=溶いた小麦粉に山菜などを混ぜて焼いたおやつ
いわく[多]=結く=結わく(ゆわく)=結ぶ、縛る

【う】
ういにん[変]=飢え人(うえにん) ・「ういにんみちょうに 飯かっこむんじゃあ ねえ」 
うーがなる=ウーが鳴る=正午を知らせる役場のサイレンが鳴る ・「うーがなったから お昼にすべえ」
うしのちち[多]=牛の乳=牛乳
うすぎたねえ[変]=薄汚(うすぎたな)い=清潔でない
うすべってえ[変]=薄(うす)べったい ・「小学一年生の教科書は うすべってえ」
うそっこ[多]=嘘っこ=本式でない試し ・メンコやベーゴマ遊びの本番を「ほんこ」と言った。
うそっこき[強]=嘘(うそ)こき=嘘をつく人 ・「ヤツは うそっこきだから信じちゃなんねえ」
うそっぺえ[変]=嘘(うそ)っぽい ・「どうも うそっぺえなあ」
うたげえ[変]=疑(うたがい) ・「うたげえを晴らさなけりゃあ町ん中を歩けねえ」
うちば[変]=内輪(うちわ)=数量が控えめなこと ・「痛みが うちばになった」
うちべんけえ[変]=内弁慶(うちべんけい)=自分の家では元気だが外では物静かな人
うでる[多]=茹(ゆ)でる=熱湯で煮る ・「うどんを うでる」
うぶう[変]=負(お)ぶう=背負う ・「子供をうぶう」
うぶっつぁる[変]=負(お)ぶさる=背負われる ・「足をくじいたんで うぶっつぁって帰ってきた」
うむ[多]=熟む=果実が熟する ・「柿が うんできた」
うめる[多]=填める=外の液体を混ぜる ・「この湯は あっちいから ちっと うめとくれ」
うりっぱらう[変]=売り払う(うりはらう)
うるおぼえ[変]=うろ覚(おぼ)え=あまり確かでない記憶 ・標準語だと思っている人が多い。・「うるおぼえだから あてんなんねえ」
うるしがる[変]=嬉(うれ)しがる=喜ぶ ・「お年玉もらって うるしがる」
うわっぱり[多]=上っ張=事務服やかっぽう着など、服が汚れないようにはおる上着。
うんと[多]=非常に、たくさん ・「うんと食ったい」
うんま[変]=馬(うま)
うんまかねえ[変]=うまくはない ・「そんなことしちゃあ うんまかねえ」
うんまくねえ[変]=うまくない
うん・まける[変]=うん撒(ま)く=勢い良く物を散らし落とす ・「あんまり おかずが うんまかったんで 誤って弁当箱を うんまけた」
うんまい[変]=「うんめえ」に同じ
うんめえ[変]=うまい=おいしい ・うまい→うめえ→うんめえ ・「こんなに うんめえもん 初めて食った」

【え】
え〜[変]=い〜 ・一向(いっこう)に→えっこうに、いぼる→えぼる、燻(いぶ)い→えぶい、因業(いんごう)→えんごう、威張(いば)る→えばる
××え[変]=××い ・えらい→えれえ、ひどい→ひでえ、お互い→おたげえ、こわい→こええ 「位→くれえ、黒い→くれえ、暗い→くれえ」同じ言葉は前後の言葉やイントネーションの違いで区別する。
ええ[変]=結(ゆい)=お互いに農作業などを助け合うこと
ええからかん=いい加減=「ええかんぺえ」と同じ=無責任
ええかんぺえ[変]=いい加減(かげん)=無責任 ・「ええけんぺえ」とまで変化する。
ええかげん[変]=いい加減(かげん)=無責任、相当、かなり
ええけん[変]=いい加減(かげん)=相当、かなり ・「ええけん食ったい」
ええれでん[略]=英霊殿(えいれいでん)=戦死者を祀る神社
えける[変]=埋(い)ける=物を土や灰に埋める
えずく[多]=嘔く=吐き気をもよおす
えっける=「いっける」と同じ
えっこう[変]=一向(いっこう)=全部 ・「そんなこと えっこうに かまわねえ」
えってんべえ[変]=行ってみよう ・「サーカスを見に伊勢の森へ えってんべえ」
えっぺえ[変]=いっぱい=たくさん ・いっぱい→いっぺえ→えっぺえ ・「水を えっぺえ飲んだ」
えっぺえ[変]=一杯(いっぱい) ・「水を えっぺえ 飲んだ」 沢山のえっぺえとはイントネーションの違いで聞き分ける。
えっぺんに[変]=一遍(いっぺん)に ・「あんまり弱そうなんで えっぺんに やっつけた」
えててる[変]=得(え)てている=得意としている ・「ヤツは営業の仕事が えててる」
えばる[多]=威張る=威勢を張る、いばる ・「えばるヤツほど 弱い」
えびい[変]=燻(いぶ)い=けむる ・いぶい→えぶい→えびい
えぶ=歩く ・「えべ」は命令形。「えんでぐ」は「えんで行ぐ=歩いていく」
えぶい=「えびい」に同じ
えべっさん[変]=恵比寿(えびす)さん ・「おいべっさん」と同じ
えぼる=いぼる=不満な態度をとる ・「えぼって 家へ帰っちゃった」
えらく=想像を超えて、大変に、ひどく ・「えらく 怒らいたんだっつっけえ」
えれえ[変]=えらい=偉い(身分が高い)、豪い(大変だ) ・「えれえ剣幕でどなりこんできた」
えんこ[多]=座ること(幼児語)
えんごう[変]=因業(いんごう)=頑固 ・「おめんちの爺は えんごうだ」
えんでぐ=歩いて行く ・「えぶ」を参照のこと。・「学校まで えんでぐべえ」
えんぬした[変]=縁の下(えんのした)=縁側の下 ・「えんぬしたに かくねた」
えんりょしいしい[変]=遠慮(えんりょ)しながら ・「えんりょしいしい 3杯食った」

【お】
おいべっさん[変]=恵比寿(えびす)さんの丁寧語
おいる[変]=終(お)わる=なくなる ・「ぼちぼち灯油が おいる頃だ」
おうかん[多]=往還=往来する通り道、街道 ・「けえど」は狭い道を指し「おうかん」は幹線道路を指す。
おおか=あんまり ・「おおか たあこと こくな」
おおきに[多]=はなはだ、たいそう ・「このっきり おおきに 歳とってきたい」
おおげさ[多]=大袈裟=実際より大きくものを言ったりすること
おおごと[多]=大事=難儀、大変なこと ・「今度の仕事では おおごとしてる」
おおさあぎ[変]=大騒(おおさわ)ぎ ・「町ん中ぢゅう 選挙で おおさあぎしてるとこさ」
おおどころ[多]=大所=財産家、大金持ちの家 ・「○○んちは このあたりじゃあ おおどころだい」「おおどころから 寄付してもろうべえ」
おおまか[多]=大まか=おおざっぱ ・「こまっけえことはいらねえ おおまかでいいやい」
おかって[多]=お勝手=台所 ・「おっかあは おかってに いらい」
おがみったおす[強]=拝み倒す=懇願する ・「おがみったおして 借金した」
おき[多]=熾=熾火(おきび)の省略形=薪が燃えて炭になったもの
おきゃくにいぐ[変]=お客に行く=知人や親戚の家に招かれて泊まりに行く
おぎょん[変]=祇園(ぎおん)祭の丁寧語
おくらかす[変]=遅らせる
おくり[変]=奥(おく) ・「おくりに 座ってるのが親方だ」
おこうこ[多]=御香香=たくあん、大根の漬物 ・「おこうこがありゃあ 上等だ」
おこた[多]=御炬燵(おこたつ) ・「おこたに あたってらあ」
おこらいる[変]=怒(おこ)られる ・「こんなことしてちゃ親方に おこらいる」
おごっつぉう[変]=ご馳走(ちそう) ・「すげえ おごっっぉうだ」
おごっつぉうさん[変]=ご馳走(ちそう)さまでした ・「おごっっぉうさん うんまかったい」
おこわ[多]=御強=赤飯 ・「今日は お祝いだ おこわ炊くべえ」
おこんじょう[多]=お根性=意地が悪いこと ・「あんまり おこんじょう 言うな」
おじぎ[多]=お辞儀=頭を下げて礼をすること ・「思わず おじぎ しちゃった」
おしこくる[多]=押しこくる=強く押す ・「そんなもん邪魔だから 奥へ おしこくっとけ」
おしたし[多]=御浸 ・「おひたし」の変化語
おしのぎ=空腹を一時的にしのぐ食事 ・「おしのぎに うどんだったら あるよ」
おしめ[多]=御湿=おむつ
おしめえ[変]=御仕舞(おしまい)=終わり ・「今日はもう おしめえにすべえ」
おしめさん[変]=お神明(しんめい)さん=神さま、天照大神=中之条町では大字伊勢町の伊勢神宮を称する
おじや[多]=雑炊
おしょい[変]=お醤油(しょうゆ)
おすわさん[多]=お諏訪さん=諏訪神社
おせえさん[変]=お添(そえ)えさん=料理の添え物、おかず
おせえる[変]=教(おし)える ・「おめえなんかにゃ おせえてやんねえ」
おだ[多]=むだ話や勝手なことを言う ・「きんなは公民館で みんなして おだをあげた」
おたげえ[変]=お互(たが)い ・「おたげえさまだ」
おたんこなす[多]=のろま、まぬけ
おちおちしてらんねえ[変]=落ち落ちしていられない=安心できない ・「そうだと知ったら おちおちしてらんねえ 早ええとこ行ぐべえ」
おちょうしもん[変]=お調子者(ちょうしもの)=調子のいい人、軽々しい人 ・「おちょうしもんが 又おちょうしづいてらあ」
おちょんべ=お世辞 ・「おちょんべ言っても 一銭もくんねえ」
おつい[変]=御汁(おつゆ)=味噌汁などの吸い物 ・「おつい もう一杯 よそってくんず」
おっか=じゃんけん
おっかあ[多]=御っ母=母親、妻
おっかかる[多]=押っ掛かる=よりかかる ・「おっ」は意味を強調し会話にリズムが出てくるので多用される「そんなに おっかかってきちゃあ おもてえ」
おっかける[多]=追っ掛ける=追いかける ・一部が壊れたの意で使う「おっ欠ける」とはイントネーションで区別する。
おっかしい[強]=可笑(おか)しい=面白い、変だ ・「その判定は ちょっと おっかしい」
おっかっきゅ=じゃんけんぽん ・「おっかで決めべえ おっかっきゅう」
おっかぶさる[多]=押っ被さる=物の上を覆う
おっかく[多]=押っ欠く=一部分が欠ける
おっかながる[多]=怖がる ・「〜がる」は「強がる、不思議がる」などと使うが、「おっかながる」の音感が言い得て妙。「怖がる」では表現できないものを感じる。ただし、これは標準語。
おっくじく[多]=押っ挫く=折る、捻挫する、骨折する ・「骨を おっくじいた」
おつくべ=正座 ・「ちゃんと おつくべ してらい」語源は、おっつくべえ説もあるが不明。
おつけ[多]=御汁=味噌汁など
おっこおす=落っ壊す=壊す ・「そんな使い方しちゃあ おっこおしちまう」
おっこくる[変]=押しこくる=強く押すこと
おっこちる=落っこちる ・「肥溜に落っこちる」
おっことす[多]=落っことす=落とす ・「財布を 落っことした」
おっしゃん[変]=和尚(おしょう)さん
おったてる[多]=押っ立てる=立てる ・「すげえ床柱が 押っ立ててあった」
おったまげる[多]=押っ魂消る=肝をつぶす、驚く ・「ぶったまげる」に同じ
おっちむ[変]=押っ死ぬ=死ぬ
おっちんじもう[変]=押っ死んでしまう(おっちんでしまう)=死んでしまう
おっつぁれる=怒られる、しかられる ・「ガラスを割って おっつっぁれた」
おっつく[変]=追いつく ・「やっとのことで おっついた」
おっつけ[多]=押っ付け=引き続き ・「おっつけ行くから 先い行ってろや」
おっつけでえく[変]=押っ付け大工(だいく)=図面や寸法によらず現状に合わせて工事をすること
おっといな[変]=一昨日(おととい) ・「おとつい」と同じ。
おっとし[変]=一昨年(おととし)
おっぱじめる[多]=押っ始める=始める
おっぱずす[強]=押っ外す ・「めざわりだ おっぱずしとけ」
おっぺえす=剥がす ・「おっ被さってるムシロを おっぺえしとけ」
おっぺしょる[多]=押っ圧折る=強く折る
おっぽ[多]=尾っぽ=動物の尾
おっぽらかす[変]=押っ放り出す(おっぽりだす) ・「子供を おっぱらかして パチンコしてた」
おつみ=御摘=水団(すいとん)=水でこねた小麦粉を、ちぎって汁に入れて煮た食物
おてしょ[多]=御手塩=お小皿
おてのくぼ[多]=御手の窪=手のひらを軽く曲げた時にできるくぼみ
おてんとさん[多]=お天道さん=太陽
おてんたら=見え見えのお世辞 。「おてんたら言うヤツは信じられねえ」
おどかす[多]=脅かす=驚かす ・「冗談だったんかい おどかさねえでくんない」
おどす[多]=脅す=怖がらせる、叱る ・「あんまり わかんねえこと言うから おどしてやった」
おとつい[多]=一昨日(おととい)
おはづけ=お葉漬け=白菜の漬物
おばんでやんす[多]=御晩でやんす=こんばんは ・「御晩でがんす」と同じ
おひる[多]=御昼=昼食の丁寧語 ・「おひるに すべえ」
おぶ[変]=お湯(ゆ)
おぶう[多]=負ぶう=背負う ・「うぶう」と同じ
おふどうさん[多]=お不動さん=不動明王、不動尊
おべえる[変]=覚(おぼ)える
おべっか[多]=ご機嫌とり、お世辞 ・「ちったあ おべっかでも言って 可愛がられろ」
おべんたら[変]=おべんちゃら=「おてんたら」に同じ
おぼいがある[変]=覚(おぼ)えがある=心当たりがある、記憶がある ・「そう言わあ おぼいがあらい 確かに俺の子だ」
おみごく[多]=御供(ごく)の丁寧語=神仏への供え物
おめえ[変]=御前(おまえ)=あなた ・「おまい」「おんめえ」などとも言う。目上の相手に敬意を込めて言っていたが、現在では同格者と目下の相手に親しみを込めて使われている。
おめえさま[変]=思い様(おもいさま)=思いっきり ・「おめえさま ひっぱたかれた」
おめんち[変]=おまえの家(うち) ・おまえのうち→おめえのうち→おめえんち→おめんち
おもしれえ[変]=面白(おもしろ)い
おやげねえ[変]=親気無(おやげな)い=かわいそうだ、気の毒だ ・「そんなに怒っちゃあ おやげねえ もう よせやい」
おやす[変]=終(お)わらせる ・「明日までに仕事を おやす」
おやすみなんし[変]=おやすみなさい ・寝る際の挨拶。
おらがんち[変]=俺の家(おれのうち) ・おれのうち→おらがうち→おらがんち ・「おらがんちい 遊びに くりゃあいい」
おらげち[変]=「おらがんち」と同じ ・「おらげちの方が 貧乏だ」
おらほう[変]=俺の方(おれのほう) ・「おらほうは あんましナマリがねえ」
おろぬく[多]=疎抜く=不必要なものを抜き取る
おんだす[多]=追ん出す=追い出す、仲間や家族の関係を絶つ ・「女房を 追ん出した」
おんでる[多]=追ん出る=自分から外に出る ・「おらあ おんだされたんじゃねえ おんでたんだ」