■メグスリノキって何? |
吾妻郡に住んでいると、郡外の知人から「メグスリノキ」について、問合せを受けることが少なくありません。 メグスリノキは昔から樹皮を煎じて服用し、眼や肝臓などに効果がある民間薬として重宝されてきました。しかし、明治時代以降は西洋医学の世の中となり、忘れられた存在となっていました。10数年前、その成分にエビロードデンドリンを含み、肝臓の強化や、眼の疲労回復に効果があるなどとTV等で紹介され、ブームになったこともあります。 |
■メグスリノキの見分け方 |
メグスリノキは、標高700m前後の山に自生するカエデ属カエデ科の落葉広葉樹です。和名は目薬木(めぐすりのき)、学名は、日光で採取されたことからAcer
nikoense Maximowicz(アーサー・ニッコインシス)です。 樹皮は、灰色の中に少し黒が混ざった灰褐色です。葉は対生で3出複葉(3つの小枝に分かれている)で、葉の裏表と葉枝には細かい毛が生えています。新緑の5月〜6月頃に黄緑色の5裂の花弁を付け、秋に翼果の果実を結実します。また、綺麗に紅葉します。株は、雌雄異株(オスとメスがある)です。樹高10m以上にも生育します。 |
■メグスリノキの採取時期 |
5月〜6月の開花期に樹皮や葉、枝を採取しますが、一般の方が国有林や民有林に立ち入っての採取は違法行為ですから、ご遠慮下さい。採取されたメグスリノキは、チップ状に荒く刻まれ日干し乾燥されます。 吾妻路を旅する途中に寄った農産物直売所などで、メグスリノキの樹皮や小枝をチップ状にしてビニール袋に詰めたものを販売している場合もあります。もしもメグスリノキが手に入ったら、下記の要領で煎じて服用してみて下さい。 |
■メグスリノキの服用方法 |
メグスリノキの煎じ方は、適量のメグスリノキのチップを適量の水(片手5本指で軽くつまんだ程度を、水1リットル程度)に、水の状態のときに入れて、沸騰してから弱火で10〜15分、火を消してそのまま1時間程待って下さい。とても苦い飲み物ですが、樹皮にロドデンドロールが含まれているからだそうです。 |